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第二種電気工事士 筆記試験ポイント集No2

第2章 交流回路の問題

1.交流とは

  交流とは、下図のように電圧(電流)が周期的に変化するものをいいます。

交流電源は、発電機で作られて送電されています。左図は非常に概念的な絵ですが、発電機はこのように磁界の中で導線を回転させることで、作られています。
 導線が1回転で交流波形は0~bになります。これが1サイクルです。
 1秒間のサイクル数が周波数です

2.実効値

 交流の場合は、前述のように電圧(電流)が周期的に変化しているので、大きさを定量的にとらえることができません。そこで、交流では実効値が定義され使用されています。

3.交流におけるコンデンサとコイルの動作

 (1)コンデンサの性質・・・・・コンデンサは電荷をためることのできる素子である。

 コンデンサに直流電圧を加えると、左図のように電荷が移動(電流が流れ)し、電荷が貯まるに従ってコ
ンデンサの両端電圧が高くなる。
 すなわち時間的には電流⇒電圧の関係がある。

  交流電源を加えると、前項のような性質があるので、常に電流が流れるに従って電圧が上昇する。
 すなわち電流が電圧より位相的に進んだ形となる。

(2)コイルの性質・・・・・コイルは、電流の変化を阻止しようとする性質がある。

コイルに直流電圧を加えると、左図のように瞬時にコイルに電圧が加わります。しかし、コイルは電流の流れを阻止しようとするので、青線のように電流の流れ出しは少し遅れます。

 交流電源を加えると、電圧が+側に増えだすとこれによる電流の流れを阻止しようとしますので、電流は図のように電圧より遅れて流れ出します。
 すなわち電流は電圧より位相的に遅れた形になります。


 4.交流回路における抵抗

  交流回路におけるコンデンサやコイルも抵抗になります。コンデンサはXc、コイルはXLで表します。
ちなみにコイルの抵抗(リアクタンスといいます)は、 XL=2πfL[Ω]で計算できます。
 また、交流回路全体の合計抵抗は、インピーダンスと言います。記号はZを用います。単位はΩ(オーム)です。試験には、抵抗Rとコイルのリアクタンスの合成インピーダンスの問題が良く出ています。

 左図のような回路の場合、コイルは前述のように電流が電圧より位相的に遅れますので、単純にR+XLで計算することはできません。複素数計算になるのですが、2電工ではそこまで理解する必要はないと思いますので、計算の仕方のみ記憶しておきましょう。以下の式で計算します。

インピーダンスやリアクタンス等の名称は覚える必要はありません。上式のみ覚えておきましょう。計算例はこの後の過去問で確認してください。

5.力率の計算
  交流回路では、力率の計算もよく出題されます。力率とは交流電源から供給された電力のうち、抵抗Rで消費し使用された電力の比をいいます。すなわち、力率は

        力率=抵抗で使用された電力/回路に供給された電力

で計算します。
 交流回路では前述のようにコンデンサやコイル、抵抗を含んだ回路となります。結論から言いますと、コンデンサやコイルでは、電力は消費されません。電力のやり取りをしているだけです。
 電力はすべて抵抗で消費されます。 この後の過去問で回答方法を習得しましょう。

6.単相3線と三相3線

   単相3線と三相3線は、配電線の電圧降下でも出てきますので、ここで基本について説明しておきます。

 電力会社の電柱を見ますと左図のように一番上の3本の電線は6600Vの電圧で送電されいます。そして注上変圧器で100V/200Vに変換されて各家庭に配電されます。この6600Vの三本が三相3線、変圧器から各家庭への引込が単相3線です。
 なお、左図にある200Vの三相3線は動力用の配電です。

(1)単相3線

 単相3線は左図のように黒、白、赤の3本の線で配電されています。白線は柱上変圧器内でアース(B種接地)につながっています。
 黒と白線間は100V、赤と白線も100Vです。また、黒と赤線間は200Vになっています。

(2)三相3(スター結線の場合)

 三相3線は、各線間が200V(又は6600V)です。ここで線間の電圧を線間電圧、負荷の両端電圧を相電圧といいます。このようなスター結線では
 
   の関係があります。

■■過去問■■

【1】以下の回路の力率を求める(電圧が与えられた場合)
  
  力率は、抵抗で消費された電力/供給された電力です。このような問題の場合は、
 力率=(抵抗の電圧)/(全体の電圧)で求めます。力率=180/204≒0.88(88%)です。

【2】 以下の回路の力率を求める(電流値が与えられた場合)

この問題では、電流値が与えれていますが、これも 力率=(抵抗に流れる電流)/(全体の電流) で求まります。
 力率=6/10≒0.6(60%)です。

【3】以下の回路の力率を求める(抵抗値が与えられた場合)

この場合の力率は、抵抗値R/全体の抵抗(インピーダンス)で求めます。
 
【4】力率の改善に関する問題です。下図の回路で力率が改善されると電流値(A)はどうなるか?

力率が改善されると、不要な電流が流れなくなるので、全体の電流値は減少します。

【5】交流回路の電圧と電流の波形(コンデンサの場合の位相の違いを問う問題)
以下のような正弦波交流回路の電源電圧vに対する電流iの波形として正しいのは。


コンデンサの場合は、電流が流れて、それに従って電圧が上がっていくという関係があります。
従って、先に電流i、その後電圧vが増える波形を選びます。 答え:ハ

※コイルの場合は、電圧がかかっても電流の変化を妨げようとしますので、電流は遅れます。
上の波形では、イ、がコイルの場合の波形になります。

【6】三相3線式回路の全消費電力を求める問題
この回路の消費電力を求める問題です。

 ①まず、6Ωと8Ωの合成抵抗(インピーダンス)Zを求めます。
  
 ②次に8Ωの抵抗に流れる電流値iを求めます。i=200/10=20[A]
 ③電力は抵抗のみで消費されますので、1個の8Ωの抵抗で消費される電力P=i2*R
=(20)2×8=3200[W]
 ④全体では3倍します。P=3200×3=6400[W]=6.4kW

【7】以下の三相3線式回路の10[Ω]に流れる電流を求める。

 ①Y(スター)結線なので、10[Ω]の抵抗に加わる電圧Vは、V=210/√3=210/1.7=123.5[V]
②従って、10[Ω]に流れる電流iは、i=123.5/10=12.35[A]
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東京でんき塾
講師経歴:NTTを退職後、法政大学理工学部で電気主任技術者系の発電機、電動機、高圧装置などの実験を担当。現在はフリーの講師等として活動中です。 所有資格:電気通信主任技術者、電気通信工事担任者(総合種)、第1級陸上無線技術士、電気主任技術者、ネオン工事技術者、電気工事士など多数。