陸上特殊無線技士

第三級陸上特殊無線技士 法規ポイント集No.2

第6章 無線従事者

1.第3級陸上特殊無線技士の操作及び監督の範囲 (施行令3条) 

 第3級陸上特殊無線技士の操作範囲は、以下のように規定されています。

 陸上の無線局の無線設備(レーダー及び人工衛星局の中継により無線通信を行う無線局の多重無線設備を除く。)で次に掲げるものの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作

 ①空中線電力50ワット以下の無線設備で25,010キロヘルツから960メガヘルツまでの周波数の電波を使用  
  するもの

 ②空中線電力100ワット以下の無線設備で1,215メガヘルツ以上の周波数の電波を使用するもの

2.免許 

  無線従事者になろうとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。

3.免許を与えない場合 (法42条) 

 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、無線従事者の免許を与えないことができる。

  ①電波法の罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受け
   ることがなくなった日から2年を経過しない者

  ②電波法の規定により無線従事者の免許を取り消され、取消しの日から2年を経過しな
   い者

  ③著しく心身に欠陥があって無線従事者たるに適しない者

4.免許証の携帯 (施行38条) 

  無線従事者は、その業務に従事しているときは、免許証を携帯していなければならない。 

5.免許証の返納 (従事者51条) 

 ①無線従事者は、免許の取消しの処分を受けたときは、その処分を受けた日から10日以
  にその免許証を総務大臣又は総合通信局長に返納しなければならない。
  免許証の再交付を受けた後失った免許証を発見したときも同様とする。

 ②無線従事者が死亡し、又は失そうの宣告を受けたときは、戸籍法による死亡又は失そう
  宣告の届出義務者は、遅滞なく、その免許証を総務大臣又は総合通信局長に返納しなけ
  ればならない。

6.主任無線従事者 (法39条)

  電波法39条に無線局は、主任無線従事者を選定し配置すれば、主任無線従事者の指示・監督のもと、無線従事者の資格のない者も、無線設備を運用することができると規定しています。

  免許人は、この主任無線従事者を選任または解任したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に報告することとなっています。

 なお、主任無線従事者の主な職務は以下の通りです。

①無線設備の操作の監督に関し総務省令で定める職務を誠実に行うこと
②無線の業務に従事する者は、主任無線従事者の指示に従うこと。
③主任無線従事者は、総務大臣の行う講習を受けること

                     ■■■過去問■■■
【1】第三級陸上特殊無線技士の資格を有する者が、陸上の無線局の1,215MHz以上の
  周波数の電波を使用する無線設備(レーダー及び人工衛星局の中継により無線通信を
  行う無線局の多重無線設備を除く。)の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさな
  いものの技術操作を行うことができるのは、空中線電力何ワット以下のものか。  
   次のうちから選べ。    

  1.10ワット  2.25ワット  3.100ワット  4.250ワット
   
                                    答え:3  

 注1:「25,010KHzから960MHzまでの周波数の場合は何ワットであるか」とい
    う問題も出題されている。(答え:50W)
 注2:50ワット以下の無線設備の技術操作を行うことができる周波数の範囲を問う問
    題も出題されている。 (答え:25,010KHzから960MHz)

【2】総務大臣が無線従事者の免許を与えないことができる者はどれか。次のうちから選
   べ 。

   1.刑法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は
     その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経
     過しない者
    2.無線従事者の免許を取り消され、取消しの日から2年を経過しない者   
    3.無線従事者の免許を取り消され、取消しの日から5年を経過しない者   
    4.日本の国籍を有しない者

                                   答え:2

【3】総務大臣が無線従事者の免許を与えないことができる者は、無線従事者の免許を取
   り消され取消しの日からどれほどの時間を経過しないものか。次のうちから 選べ。
     
    1.6箇月    2.1年    3.1年6箇月    4. 2年                                    
 
                                   答え:4        

【4】無線従事者は、免許証を失ったためにその再交付を受けた後、失った免許証を発見
  した時は、発見した日から何日以内にその免許証を総務大臣に返納しなければならな
  いか。次のうちから選べ。
    
    1  10日    2  7日    3  30日    4  14日

                                  答え:1

【6】無線従事者がその免許証を総務大臣に返納しなければならないのはどの場合か。   
   次のうちから選べ。    
    1.5年以上無線設備の操作を行わなかった場合    
    2.無線従事者の免許の取消しの処分を受けたとき    
    3.無線通信の業務に従事することを停止されたとき    
    4.無線従事者の免許を受けてから5年を経過したとき    
                                  答え:2

【7】無線局の免許人は、主任無線従事者を選任し、または解任したときは、どうし
  な ければならないか。次のうちから選べ。     
    1.遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出る。     
    2.2週間以内にその旨を総務大臣に届け出る。     
    3.1箇月以内にその旨を総務大臣に届け出る。     
    4.速やかに総務大臣の承認を受ける。   
                                  答え:1

第7章 運用

1.無線局の目的外使用の禁止等 (法52条) 

「無線局は、免許状に記載された目的又は通信の相手方若しくは通信事項の範囲を超えて運用してはならない。」とされていますが、遭難通信(SOS)、緊急通信、安全通信、非常通信については、例外とされています。

2.免許状記載事項の遵守 

(1)免許状記載事項(法53条)

   無線局を運用する場合においては、無線設備の設置場所、識別信号、電波の型式及び周波数は、その無線局の免許状等に記載されたところによらなければならない。
   ただし、遭難通信については、この限りでない。

(2)その他の規定

 その他、空中線電力や運用許容時間についても基本は免許状記載事項の範囲で運用しなければなりせんが、下表のような例外規定があります。

通信種別無線設備設置場所
識別信号、
電波の型式及び周波数 空中線電力
運用許容時間混信の防止
遭難通信
緊急通信×
安全通信×
非常通信×

            

3.疑似空中線回路の使用 (法57条)   

 無線局は、次に掲げる場合には、なるべく擬似空中線回路を使用しなければならない。

   ①無線設備の機器の試験又は調整を行うために運用するとき。 

   ②実験等無線局を運用するとき。

  ※疑似空中線回路とは、アンテナと同様の機能をもった回路。無線送信機の試験や調整を行う場合は、異常 な電波が出力されることも想定されるので、電波の飛ばない疑似空中線回路を使用する。

 4.無線局の運用の停止 (法76条) 

  総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3ケ月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。

              ■■■過去問■■■
【1】無線局を運用する場合においては、遭難通信を行う場合を除き、電波の型式及び周
  波数はどの書類に記載されたところによらなければならないか。次のうちから選べ。
 
    1. 免許状    
    2. 無線局事項書の写し   
    3. 免許証   
    4. 無線局の免許の申請書の写し  

                                  答え:1  

 ※基本的には免許状に記載された内容に従って運用しなければならないが、遭難通信

  を行う場合は、その範囲を超えて運用することができる。  

【2】次の記述は、疑似空中線回路の使用について述べたものである。電波法の規定に照
   らし、(  )内に入れるべき字句を下の番号から選べ。     

 「無線局は、無線設備の機器の(   )又は調整を行うために運用するときは、なる
 べく疑似空中線回路を使用しなければならない。」

   1. 開発    2. 試験    3. 調査    4. 研究   

                                 答え:2  

第8章 無線通信業務

1.一般通信方法における無線通信の原則 (運用10条) 

  ①必要のない無線通信は、これを行ってはならない。

  ②無線通信に使用する用語は、できる限り簡潔でなければならない。

  ③無線通信を行うときは、自局の識別信号を付して、その出所を明らかにしなければな
   らない。

  ④無線通信は、正確に行うものとし、通信上の誤りを知ったときは、直ちに訂正しなけ
   ればならない。

2.無線電話使用時の試験電波の発射(運用39条) 

  無線電話用の無線機器の試験又は調整のため電波の発射を必要とするときは、発射する前に自局の発射しよ うとする電波の周波数及び、その他必要と認める周波数によって聴守し、他の無線局の通信に混信を与えないことを確かめた後、試験を行うことができる。試験時には「本日は晴天なり」と発声することになっている。

   ※「本日は晴天なり」の発声等は10秒間を超えてはならない。

  この試験又は調整中は、しばしばその電波の周波数により聴守を行い、他の無線局から停止の要求がないか どうかを確かめなければならない。

  なお、無線局は、自局の呼出しが他の既に行われている通信に混信を与える旨の通知を受けたときは、直ちにその電波の発射を中止しなければならない。

                 ■■■過去問■■■
【1】一般通信方法における無線通信の原則として無線局運用規則に定める事項に該当す
   るものはどれか。次のうちから選べ。       
    1.無線通信に使用する用語は、できる限り簡潔でなければならない。     
    2.無線通信を行う場合においては、略符号以外の用語を使用してはならない    
    3.無線通信は、長時間継続してはならない。    
    4.無線通信は、正確に行うものとし、通信上の誤りを知ったときは、通報の
      送信終了後一括して訂正しなければならない。                                  
                                  答え  1

<解説>2.無線電話での通信においては、略符号を使用できるが、略符号以外の用語を

    使用してはならないという規定はない。なお、略符号とは「SOS:メーデー、
    CQ:各局」などである。
     3.必要のない無線通信は行ってはならないとしているが、長時間継続しては
      ならないという規定はない。
     4.通信上の誤りを知ったときは、直ちに訂正しなければならない。

 
【2】無線局が電波を発射して行う無線電話の機器の試験中、しばしば確かめなければ
   ならないことはどれか。次のうちから選べ。   
     
   1.他の無線局から停止の要求がないかどうか。    
   2.「本日は晴天なり」の連続及び自局の呼出名称の送信が5秒間を超えて
     いないかどうか。    
   3.空中線電力が許容値を超えていないかどうか。    
   4.その電波の周波数の偏差が許容値を超えていないかどうか。   
                                   答え:1

 

第9章 業務書類

1.時計、業務書類等の備付け (法60条) 

 無線局には、正確な時計及び無線業務日誌その他総務省令で定める書類を備え付けておかなければならない。

 ここで、書類とは①免許状 ②無線局の免許申請時の添付書類等をいう。

■■過去問■■
【1】基地局に備え付けておかなければならない書類はどれか。次のうちから選べ。
    1.無線従事者免許証     
     2.無線従事者選解任届の写し     
     3.無線設備等の点検実施報告書の写し     
     4.免許状                                  
                              答え:4

第10章 監督

1.検査 (法73条) 

  総務大臣は、総務省令で定める時期ごとに、あらかじめ通知する期日に、その職員を無線局に派遣し、その無線設備等を検査させることができるが、この定期的な検査以外に以下の場合は、臨時に検査を行うことができる。

 1.電波法の施行を確保するために特に必要があるとき

 2.無線設備が技術基準に適合していないと認め無線局の免許人等に対し、技術基準に適
   合するように当該無線設備の修理その他の必要な措置をとるべきことを命じたとき

 3.無線局の発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合していないと認め、当該無
   線局に対して臨時に電波の発射の停止を命じた後、適合するに至った旨の申し出があ
   ったとき

2.無線局の運用制限 (法76条) 

   総務大臣は、免許人等がこの法律、放送法 若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。

4.無線従事者免許の取消し (法79条) 

 総務大臣は、無線従事者が次に該当するときは、その免許を取り消し、又は3箇月以内の期間を定めてその業務に従事することを停止することができる。

 ➀電波法若しくは電波法に基く命令又は、これらに基く処分に違反したとき。

②不正な手段により免許を受けたとき。

③第42条第3号に該当(著しく心身に欠陥があって、無線従事者たるに適しない者)に至ったとき。

5.報告 等 (法80条) 

 (1)無線局の免許人等は、次に掲げる場合は、総務省令で定める手続により、総務大臣
    に報告しなければならない。

   ➀遭難通信、緊急通信、安全通信又は非常通信を行ったとき
   ②この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反して運用した無線局を認めたとき
   ③無線局が外国において、あらかじめ総務大臣が告示した以外の運用の制限をされた
    とき。

(2)総務大臣は、無線通信の秩序の維持その他無線局の適正な運用を確保するため必要が
   あると認めるときは、免許人等に対し、無線局に関し報告を求めることができる。

               ■■過去問■■
【1】無線局の免許人が電波法又は電波法に基づく命令に違反したときに総務大臣が
    行うことができる処分はどれか。次のうちから選べ。
     1.通信の相手方又は通信事項の制限
     2.無線局の運用の停止
     3.電波の型式の制限
     4.再免許の拒否                    
                                 答え:2

【2】無線局の免許人は、非常通信を行ったときは、どうしなければならないか。次の
  うちから選べ。
     1.総務省令で定める手続きにより、総務大臣に報告する。
     2.その通信の記録を作成し、1年間これを保存する。
     3.非常災害対策本部に届け出る。
     4.地方防災会議会長にその旨を通知する。                                 
                                 答え:1    

【3】無線局の臨時検査(電波法第73条第5項の検査)が行われることがあるのは、ど
   の場合か。次のうちから選べ。        
     1.総務大臣に無線従事者選解任届を提出したとき。    
     2.総務大臣の許可を受けて、無線設備の変更の工事を行ったとき    
     3.無線局の再免許の申請をし、総務大臣から免許が与えられたとき    
     4.総務大臣から臨時に電波の発射の停止を命じられたとき。                                      
                                
                               答え:4  

【4】総務大臣から無線従事者がその免許を取り消されることがあるのはどの場合か。
  次のうちから選べ。    
     1.免許証を失ったとき    
     2.電波法に違反したとき    
     3.日本の国籍を有しない者となったとき    
     4.引き続き5年以上無線設備の操作を行わなかったとき。  
                                 答え:2    

【5】無線従事者が総務大臣から3箇月以内の期間を定めて、その業務に従事すること
  を停止されることがあるのはどの場合か。次のうちから選べ。    
       1.免許証を失ったとき    
       2.無線通信の業務に従事することがなくなったとき    
       3.電波法に違反したとき    
       4.無線局の運用を休止したとき                                     
                                 答え:3  
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東京でんき塾
講師経歴:NTTを退職後、法政大学理工学部で電気主任技術者系の発電機、電動機、高圧装置などの実験を担当。現在はフリーの講師等として活動中です。 所有資格:電気通信主任技術者、電気通信工事担任者(総合種)、第1級陸上無線技術士、電気主任技術者、ネオン工事技術者、電気工事士など多数。